目に見える原音再生を実現

ChapterⅠ
目に見える原音再生を実現

1999 - 2004

1999年

NF-1登場

ニアフィールド・スタジオ・モニター

NF-1

"ニアフィールドを謳う数々のコンパクト・モニター。ではミュージシャンやエンジニア達は、本当にこの音で満足しているのか?"このシンプルな疑問が、NF-1誕生のきっかけでした。そこで私たちは、蓄積された膨大なスピーカー技術のノウハウをもとに、ニアフィールド・モニターが網羅していなければならない性能について検証を行い、究極の振動板 "HP -Hyperbolic Paraboloidal- ダイアフラム"を始め数々の技術をNF-1へ完全注入。従来のニアフィールド・モニターでは到底成し得ない、まさに“目に見える原音再生”を実現しました。

比類無き高精度音像を再生、新開発HPダイアフラム
NF-1が備える最大の特長、HPダイアフラム。双曲面と放物面によって構成される3次曲面構造が、従来の振動板では避けられない固有共振の排除と、高い構造強度によるハイスピードな原音追従性を実現しました。HPダイアフラムは、16cmウーハーの常識を超越したワイドレンジ再生を可能とし、原音の主成分を一つのウーハーでカバーする能力を備え、パワフルかつタイトな低域を基盤に、超低歪みで正確な音の輪郭を再現する比類なき形状、比類なき音像再生を実現するダイアフラムとして誕生しました。

2000年

NF-1A登場

パワード・ニアフィールド・スタジオ・モニター

単なるパワード化とは一線を画す、革新の"トータル・モニタリング思想"
単なる時代の流れに乗ったパワード化ではなく、巷に溢れる安易なオールインワン指向からでもないスピーカーを。圧倒的リファレンス性能を獲得したNF-1 の"ニアフィールド思想"にあくまでも忠実に、アンプ部を含めたトータル・モニタリング・システムとして完結させる、この確固たる設計思想に基づいて誕生した革新 のパワード・モニター"NF-1A"。NF-1専用にチューンナップされたBi-AMP構成の理想的スピーカー駆動回路を装填し、従来 のパワード・モニターにありがちだった人工的な低域誇張や高域

2NF-1A

操作から脱却。原音のローエンドからハイエンドに至るまで超高速レスポンスでの高精度再生を可能にするなど、首尾一貫したNF-1クオリティーの踏襲を実現。NF-1Aは、プライベートスタジオはもちろん、外部スタジオのコントロール・ ルーム、さらにはマスタリング・ルームでの最終工程まで、瞬時にセットアップを完了できる、まさに“トータルNF-1モニター・システム”として、今なおミュー ジシャン/エンジニアをサポートし続けています。

輪郭の見える真のスーパーLOWを"遅れなく"再現
NF-1同様の“HPダイアフラム”を採用した16cmウーハーを搭載し、従来のストレートコーン型16cmウーハーとは一線を画す重量感溢れる低域を、タイトかつハイスピードで再生。音圧を上げていった場合に輪郭が見えなくなる、いわゆる"ボリューム感だけ"の人工的低域ではなく、打ち込み系キックやシンセベースのスーパーLOWを、脚色無くリアルに、しかも"モタる"ことなく再生します。また、大音量時に発生しがちなエッジ固有の鳴り。原音の再現性を低下させる、この盲点に着目し、改善を図ったのがUDRタンジェン シャル・エッジです。原音には含まれていない歪みや倍音成分の付加的発生を抑制し、あくまでもクリアなサウンドを提供。プッシュプル・ダブルダンパーとの相乗効果により、微少信号から大出力時に至るまで、まさに“目に見える”原音再生を実現します。

2002年

NF-01A登場

パワード・ニアフィールド・スタジオ・モニター

NF-01A

NF-1/1Aの哲学を忠実に継承
大型コンソールトップからコンパクトなプライベート制作空間に至るまで、幅広いモニター環境をミュージシャン/エンジニアに提供しうる小型NF、それでいて、NFの血統の名に恥じない、いわば“精密機械”のようなディテール再生能力を備えた小型NFを、の声に応え、更にNFの名を世に知らしめた名機NF-01A。 NF-1/1Aの革新のニアフィールド・コンセプトを徹底的に継承/凝縮し、一切の妥協を廃してNF-01Aは誕生しました。スピーカーユニットの口径を変えるだけの安易なシリーズ化や、コンパクトゆえの再生性能への妥

協、というような姿勢とは全く無縁の限りなく純粋な思想が、従来の小型パワード・モニターを遙かに超越した高次元のリファレンス性能を、このNF-01Aは生み出しました。 デスクトップなどプライベート空間でのレコーディングはもちろん、外部スタジオでのサラウンド・ ミックスに至るまで、革新の“コンパクト・リファレンス”として性能を発揮し続けています。

2004年

RS-N2、RS-2登場

リファレンス・スピーカーシステム

HPからHRへ(Hyperbolic Paraboloidal Rotation)の誕生
RS-N2
2017年現在も、日本国内各地の放送局のスタジオで使用続けられるフォステクスのスピーカーの頂点となるリファレンス・スピーカーRS-N2。マグネシウム・ハードドーム・ツイーターを採用した本機は、マグネシウム振動板の歴史のスタートでもあるモデルでもあり、まさに現在のフォステクスの指針とも言えるスピーカー・システムです。

RS-N2
RS-2

RS-2
RS-2の低域を支えるウーハー部に、新たな抄紙技術”ラジアル抄紙”技術を投入し、これまでのHP振動板よりも強度をさらに上げる新形状”HR*振動板” を採用。さらなる低歪でナチュラルな中・高域特性を実現に成功。ボイスコイルの動きに対して構造による不要な歪を排除し、極めて正確な動きを与えるためにボイスコイルを対称に支えるダブルダンパー構造を採用。優れた直進性を有するUDRタンジェンシャル・ダンパーを用いることで理想的な支持機構を実現しています。

*HR(HP ROTATION)とは
建築構造力学の分野で知られているHP(HYPERBOLIC PARABOLOIDAL) 形状を更に改善するために、円周方向に回転を加えたものです。この形状は内部応力として剪弾力のみ働き、曲げ応力が働かないので軽量で高剛性が得られると共に、分割振動による共振を分散しますので、内部損失の少ない金属材料に最適な形状です。

作現場とリスニングルームを繋げた

ChapterⅡ
制作現場とリスニングルームを繋げたい

2007 - 2010

2007年

G1300登場

スピーカーシステム

G1300

スタジオモニターの思想を引き継ぎ、高忠実再生をテーマに音楽性の融合を追求したピュアオーディオ小型スピーカー・システム。

その精密とも言われる再生能力を評価され、主要放送局 をはじめ制作現場でその活躍の場を与えられているRS-N2。RS-N2をより身近に、そして制作現場とリスニングルームを繋げたい。 そんな想いを抱き2つのユニットを移植。G1300は開発されました。 音響用素材として理想方向の物性を有しながら加工 性の困難さからなかなか実現しなかった純マグネシウム、軽くて強靱であることを理想としなが

ら両立の難しい振動板の理想の形。 それらを追求して生まれたツィーターとウーハーは 高い透明感を持つ見通しのよい中・高音を再生し、 常に追求し続けたスピード感ある低音により全ての 音階で一体となり、ナチュラルな繋がりと微細に描 き分ける能力をいかんなく発揮。ここにフォステクスのリスニングモデル、ピュア・オーディオ・スピーカー・システムのエポックとして今日まで語り継がれる名機が誕生しました。

2008年

G1302登場

スピーカーシステム

HR形状ウーハーを2連で配し、更なるワイドレンジ化に成功した3WAYトールボーイ型スピーカー・システム
量感とスピード感を追求し、それぞれ専用設計で造られた異なる仕様のHR形状ウーハーを採用し、響きの調整と重量バランスを取ったスリムなトールボーイ型。専用にチューニングを施したリッジドーム型純マグネシウム振動板ツィーターは、よりソフトで滑らかな高域表現をナチュラルな中高音とともに実現。ウーハーには固有の共振を押さえ、軽くて強靱な振動板形状として開発されたHP振動板に新たな抄紙技術を投入し発展させたHR形状を採用。広がりと量感のある低域再生を目指し低域用ウーハーにはロングボイスコイル仕様を、中域用に磁気回路にはメインマグネット、ブーストマグネットともにφ120mmの大型フェライト

G1302

磁石を使用し、強力な磁束を得ることにより初めて低歪みで優れたレスポンスを実現することの出来るショートボイスコイルをそれぞれ採用。芯のある応答性の高い低音再生めざし、さまざまな角度からのアプローチにより13cmの小口径を最大限に活かしたハイスピードな再生を実現しました。

2008年

NF-4A登場

パワード・ニアフィールド・スタジオ・モニター

NF-4A

最新デジタル技術を投入し、再現能力の精度を極限まで追求。スタジオモニターの本質を小空間で実現。

Gシリーズの開発によってそのナチュラルな高域再生能力が実証された、金属固有の癖が無く優れた応答性を有する「純マグネシウムツィーター」を採用。この分散共振により不要なピークを押さえる「リッジドーム」形状の振動板により、情報量が多く高密度の中高音域は、プロフェッショナルな録音スタジオにおいても活かんなく実力を発揮。

勿論不要共振を抑制する、次世代形状「HR振動板」採用の10cmウーハーユニットには、クラス最大級の磁気回路を搭載し、ハイスピード/低歪みのサイズを超えた低域再生を実現しました。

2008年

G2000登場

スピーカーシステム

G2000

モニター思想の進化

純マグネシウムHRダイヤフラム化は、まさにピュアへのこだわりの成果。分散共振の思想は、ついにここで頂点を極めました。エンクロージャーとスピーカーユニットたちが奏でる豊かな音楽再現性。すべてが終わりなきテクノロジーの追求。アーティスト達の秘められた思いをも伝えるために生まれた、フラッグシップモデルがこのG2000です。


ミッドレンジに新開発高剛性10cmHR形状純マグネシウム振動板(純度99.9%)を採用

純マグネシウムは内部損失が大きいため、金属ならではの高密度で浸透力の高い音響特性を持ちながら金属特有の余分な付帯音が少ない優れた素材です。またHR形状は剛性を高めながら共振を分散する特殊な構造です。この二つの利点

を生かし振動板自体の剛性をG2000より更に高める事で、ミッドレンジの音響性能が向上しました。 オーケストラの奥行き、立体感、音場感をお楽しみ頂けます。静寂で透明な冬の朝の様な空気感、厚みのある豊かな響きと自然に消え行く余韻をご堪能いただけます。

2009年

GX100登場

スピーカーシステム

モニタースピーカーの圧倒的な定位のよさと卓越した表現力を。

一部のエンジニアだけに許されたその領域にもっと多くの人達に踏み込んでもらいたい。それこそが聞きなれた音楽をもう一度楽しむことにつながる・・・。
このコピー通り、いつものメロディーから、新たな発見と新たな感動を引き出すナビゲーター的役割を全うしたこのブックシェルフ型スピーカーの実力によって、フォステクスは、スピーカーブランドとしての認知度をより一層広めることに成功しました。

GX100
2010年

GX250登場

スピーカーシステム

GX250

純マグネシウム振動板が、音楽の感動をより深く表現。

音楽の基本帯域すべてをカバーするミッドレンジに13cm純マグネシウムHR形状振動板+UDRTエッジを採用したGX250。軽い比重で内部損失が大きく、しなやかで自然な余韻と金属ならではの高い応答性と浸透力を兼ね備え、延伸率が低く加工が非常に困難な純マグネシウムを使用したHR形状振動板は、その金属特有の「鋭い鳴き」や「収まらない余韻」等の癖を抑えた理想的な振動板としてその効果に魅了されます。 ウーハーにもミッドレンジと同様のHR形状振動板を採用し、そのHR形状の利点である共振の分散と高い形状剛性による音響効果は、より大形なウーハーの振動板でも大きく貢献。音圧向上とミッドレンジとのナチュラルでスムーズな音色の繋がりを追求し振動板を極限まで

軽量化。ディープバスへの沈み込みと、締まりのある低音と充実した中低音域を具現化し、浸透力の高いミッドレンジとのベストコンビネーションを実現しました。

ChapterⅢ
スモールリファレンス、新たなるスタンダードへ

2013 - 2017

2013年

GX100Limited登場

スピーカーシステム

10cm高剛性HR形状純マグネシウム振動板ウーハー採用。サイズの限界を超え、音楽の素晴らしさ、感動を伝える限定モデル。

フラッグシップモデルのG2000用に開発した純マグネシウムHR形状ミッドレンジの登場より5年の月日を経て、その間の技術の進化により、より彫りが深く、より高剛性な新たなHR形状振動板の開発に成功。分割振動による共振の分散、そして金属振動板特有の鳴きを抑え、密度が高く伝搬速度が速いという優れた性質を最大限に発揮。浸透力が高く癖のない素直な再生音は、純マグネシウム振動板ツィー

GX100Limited

ターとの、同じ材質による音のつながりも驚くほど自然に再現され、音響専用に調整されたピアノブラック塗装を施した美しく高貴なキャビネットのクオリティも相まって、限定生産であることが惜しまれるほど高い評価を頂きました。

2016年

G1001登場

スピーカーシステム

G1001

低音再生の進化。ブックシェルフにして驚愕の低音再生を実現。アーティストの気迫が伝わる、サイズを超えた音楽再現力。

ブックシェルフサイズにしてこの低音再生力・・・。GX100LimitedをGシリーズへと見事に昇華させたモデル、G1001。曲が終わると思わず拍手を送りたくなるその圧巻の再生能力は、音楽を愛するリスナー全てを魅了すると言っても過言ではない。低音域でも音程が曖昧にならず、そして深く心地良く沈み込む。剛性が高い振動板は厳しい信号が入力されても振動板自体の変形が極めて小さいので、歪みや濁りの発生も少なく、鮮やかで艶のある音色を忠実に再現。更にフレームには、高比重の亜鉛ダイキャストフレームを採用し、振動板振幅の反作用による振動がキャビネットを通じて音場空間に伝わるのを減少し、

HR形状振動板の効果を最大限に活かし、クリアな再生に貢献。また、ダンパーの構造にも手を加え、振動板の振幅量を増やして低域再現性を向上させることで、グランドピアノの左手やコントラバスの音階をも表情豊かに描かれ、サイズを忘れるほどの驚愕の低音再生を実現しました。

2017年

NF01R誕生

スピーカーシステム

スモールリファレンス、新たなるジャパン・スタンダードへの道

リスニングを極めた新たなるHR時代の幕開けに向け、スタジオモニターの名機として名を馳せたNF-01AにHR振動板を搭載し、新NFシリーズとして再始動。モニターとしての本質を更に追究し、これまでのアイデンティティは継承しつつ、且つ、現代のニーズに対しても普遍的な実力をもって、あらためてフォステクスクオリティを訴える完全限定モデルが完成。これを皮切りに原点回帰をはかり、クリエイター/ミュージシャンの目線に立ち、その時代の音を伝える役割を担うべく展開していきます。

NF01R